2010年12月10日 (金)

第二話
携帯のフタが外れバッテリーが飛び出した。
バッテリーの表に貼ってある「夢は見るものじゃない 叶えるもの」という初期安室ちゃんバリの台詞の横にコビコビのネコ勇者の挿し絵が描かれたシールがスベッていた事に、その時初めて気付いた。
俺はシールを剥がし、バッテリーをはめ込み、フタを付けながら通話ボタンを長押しし、トライに電話を掛け直した。
どこの情報か?高校生が行けるものなのか?矢継ぎ早に問いただした。
「何で知ったかは言えないけど、確かな話なんだ。高校生って事は黙ってれば大丈夫だよ。大人っぽい格好で行けばいいんじゃない?」
またいつもの感じだった。
肝心な事は何も言わず、期待ばかり煽って来る。
最早アイツがマルチの人間だ。
どうせ今回も「関東エリアの虎」あたりに会わされて、特に名水でもない水が入った5リットルボトルでも買わされるんじゃないだろうか?
そんな不安が胸を霞めたが、それでもトライの雲を掴む様な話に乗らざるを得なかったのには訳がある。
俺は狂おしい程に童貞だった。
トライに、取り敢えず行く、とだけ伝え、佐々見駅改札に24時集合という事を確認すると、直ぐ様電話を切った。
俺は即刻風呂場に向かいバスタブに湯が溜まっている事を確認した。
さっき親父かお袋が入ったのだろう。
急いで服を脱ぎ、シャワーも浴びず、俺は湯船に頭を浸けた。
混乱している頭をリセットする必要があった。
水中の音はまるで宇宙の音の様だ。
昭和の大発明の一つであるタコ型火星人が俺に近付いて来て「ドウテイソツギョウオメデトウ」と祝福してくれてるシーンを想像した。
俺は湯船の中でそっと眼を開けてみた。
痛い!
何かが右目に入った。
バスタブから頭を出し、右目を軽く擦ってみた。
俺の手の甲には陰毛が付着していた。
瞳に陰毛。
君の瞳に陰毛。
インモラルな陰毛。
これが親父の物だろうがお袋の物だろうが、そんな事はどうだっていい。
ただ神だか悪魔だかに「お前に童貞は捨てられないよ」と馬鹿にされた気分になり無性に腹が立った。
俺は気分を取り直し、いつもより丁寧にシャンプーをし、ありったけの力で体を洗い、歯茎が削げ落ちんばかりに歯を磨いて風呂場を出た。
バスタオルで適当に体を拭き、一軍のボクサーブリーフを履き、濡れ髪のまま親父の服がある部屋へ直行した。
12割で隆起した股間の幼馴染みが、ガッツポーズをしているかに思えた。

2010年12月 7日 (火)

第一話
12月に入り、より一層寒さを増した夜の繁華街を、俺は前屈みで時折股間を押さえながら歩いていた。
大手チェーンのパチンコ店の前で朝の開店を待っている若者達が「はくさい」や「みかん」と書かれた段ボールにご丁寧に座っているのを見て、たしかにお前らはせいぜい野菜か果物だ、とニヤニヤ見下しながら商店街を抜けた。
トライから携帯に電話が掛かって来たのは二時間前。
俺は普段通り、風呂にも入らずパソコンでエロ画像やエロ動画を漁り、焦りからかおかしな英語のサイトをクリックし、どうやら毎月アメリカの会社に999,9ドル振り込まなければならなくなった所だった。
「いい話があるんだけど?」
トライがやけに上機嫌でいつもの様にゆったりとした口調で切り出した。
アイツの言ういい話なんてろくな事が無い。
今までだってそうだった。
「一緒に幸せにならないか?」
と上機嫌で電話を掛けて来た時も、待ち合わせ場所のファミレスに行くと「社長の右腕」と言う謎の肩書きの人物に会わされ、完璧なまでのネズミ講の仕事に誘われ、何とか断ったが二人とも小さめの剣玉を8000円で買わされた。
「女の子を紹介してやるよ」と鼻息荒く電話を掛けて来た時も、待ち合わせ場所の喫茶店に行くと綺麗な女の人に「近畿の屋台骨」と言う不可解なキャッチフレーズの人物を紹介され、まごう事無きマルチ商法の仕事に誘われ、何とか断ったが二人とも大き過ぎるトースターを23000円で買わされた。
トライに悪気が無いのは分かる。
俺を騙す気なんて毛頭無いだろう。
ただアイツは単純で騙されやすい。
率直に言えば馬鹿なんだと思う。
顔も地方名所の岩くらいゴツゴツしている。
「トライ」と言うあだ名は最近付けられたものだ。
高校三年間ラグビー部に在籍し、欠かさず練習に出ていた。
178センチ79キロと体格にも恵まれていた。
しかしアイツは引退試合でトライを決める事が出来なかった。
引退試合どころか、アイツは人数の都合で三年間全試合に出たにも関わらず、練習試合でさえも一本のトライも決める事が出来なかったのだ。
ラグビー部の連中は最大限の愛を込めて、アイツに「トライ」と言うあだ名を付けた。
決めてないのにトライ。
童貞なのに性病。
処女なのに妊婦。
ストリッパーなのに風邪気味。
とにかくアイツはそういう奴だ。
「いい話があるんだけど?」
そんなトライからの深夜の電話。
前例もある。
心が踊る訳が無い。
俺はどんな話か端的に話す様に、サイジングミスのアイテムがこれ以上家に増えるのはごめんだ、その二点を捲し立てた。
「無料の風俗があるんだ!何回行っても無料だって!」
俺の掌は一瞬で汗を吹き出し、ツルリと滑った携帯は重力のままにフローリングを叩いた。

2010年9月 5日 (日)

んちゃこ鍋
んみなで囲む
ンワルーム

をにごっこ
「を」のせいで二倍
をに怖い

若ババア
忘れっぽくない
和紙嫌い

ロボ畑
ろくに育たぬ
6月も、、、

レズ双子
レンズ向けたら
礼をした

留守っ父
ルール無用の
留守っぷり

リス美人
凛々しい顔で
略奪婚

ラスト糞
ライバル同士
ランク上げ


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